重なったところが、テーマになる
重なったところが、テーマになる
「サイトのテーマをひとつに決めなければ始まらない」と考えると、手が止まりやすくなります。候補がいくつもあって絞れない人もいれば、書けるものがない気がして候補すら出ない人もいます。
考える軸は、3つです。誰に読んでほしいか(読者)。その読者に広告を届けたい会社があるか(広告)。自分が書き続けられるか(自分)。この3つの円が重なる場所が、書き続けやすく、収益にもつながる柱やテーマになります。
ライフスタイルブログでは、暮らしの記録を書きながら、この重なりを少しずつ見つけていきます。特化型を最初から目指すなら、開設前に同じ重なりを確かめておくとよいでしょう。ここでは、その重なりの探し方を説明します。
3つの条件は、どれが欠けても続かない
まず、なぜ3つ必要なのかを確かめておきます。
読者と広告がそろっていても、自分が興味を持てないテーマでは、記事を書き続けられません。サイトづくりは、記事を書き、直し、増やしていく作業が、その先も続いていきます。続かなければ、収益も育ちません。
読者と自分がかみ合っていても、広告主のいない分野では、読まれても収入になりません。アフィリエイトサイトの収入は広告収入ですから、その読者に広告を出したい会社がいるかどうかは、早い段階で確かめておく必要があります。確かめる場所は、ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)の案件一覧です。国内最大手のA8.netなら登録は無料で、どんな会社が、どんな条件で広告を出しているかを管理画面から一覧できます。
広告と自分がそろっていても、読者の顔が見えないままでは、誰の悩みに答える記事なのかが定まらず、書くほどに記事が散らかっていきます。
つまり、どれかひとつの条件だけで柱やテーマを決めようとすると、残りの2つでつまずきます。3つとも満たす場所、円が重なる場所を探すことが、収益につながるサイトづくりの手がかりになります。
順番に決めるのではなく、行き来しながら決める
ここで大事なのは、3つを順番に確定させようとしないことです。
「まず読者を決める。次に広告を調べる。最後に自分が続けられるか考える」。一見きちんとした手順に見えますが、この進め方はたいてい途中で止まります。先に読者を固めてしまうと、あとになって広告がない、自分には書けない、とわかったときに、最初からやり直しになるからです。何度かやり直すうちに、考えること自体が嫌になってしまいます。
そうではなく、3つとも仮置きのまま、行ったり来たりします。自分の興味から仮の柱やテーマを置いてみる。その読者を想像してみる。案件一覧を眺めて、広告の側から読者を見直してみる。広告を見て気づいたことをもとに、読者の描き方を変えてみる。読者が変われば、自分に書けることも変わります。どの円も、他の円を見たあとに描き直してかまいません。むしろ、描き直すたびに、重なりは見つけやすくなります。
出発点も、どの円からでもかまいません。このあとの例は自分の円から始めますが、案件一覧を眺めていて「この分野は広告主が多い」と気づくところから始まることもあれば、身近な人の悩みを聞いて、読者の円から始まることもあります。どこから入っても、残りの2つの円を見に行き、また戻ってくることに変わりはありません。
ライフスタイルブログでは、暮らしの記録を書きながら、この行き来を少しずつ進めても構いません。特化型を開設前に確かめるときも、同じ行き来が使えます。
ゴルフを例に、行き来を追ってみる
行き来の様子を、具体的に追ってみましょう。たとえば、最近ゴルフを始めた人が、ゴルフのことを書いていこうと考えたとします。ライフスタイルブログの柱として寄せていく場合でも、特化型を考える場合でも、行き来の仕方は同じです。
出発点は、自分の円です。休日の練習場通いが楽しく、この先も長く続けたい。それなら書き続けられそうだと考えて、仮の柱やテーマを「ゴルフ」と置きます。
次に、読者の円へ移ります。誰に読んでほしいか。まず思いつくのは、同じように始めたばかりの人です。ただ、「ゴルフ初心者」だけでは、まだ顔が見えません。初心者の悩みといっても、道具選び、練習の仕方、初めてのコース、伸びないスコアと、いろいろあるからです。ここで無理に決めず、いったん広告の円へ移ります。
A8.netの案件一覧で、ゴルフのまわりを眺めてみます。執筆時点の例ですが、スポーツ用品の通販には購入金額の6.5%が報酬になる案件があり、ゴルフスクールには、新規の来店1件で9,500円という案件があります。道具の通販は買った金額の数パーセント、スクールは1件あたりが高額です。この一覧から、広告主が待っている読者が2種類見えてきます。「道具を選んでいる人」と、「上達したくてスクールを探している人」です。
これを持って、読者の円に戻ります。道具を選んでいる人は、買い物が済めば、いったん読者でなくなります。一方、上達に悩む人は、悩みが解決するまで長く付き合える読者です。それに、道具を買った初心者も、やがて「練習しているのにスコアが縮まらない」という悩みに移っていきます。それなら読者は、「始めてみたものの、上達に悩んでいる人」に寄せたほうがよさそうです。
最後にもう一度、自分の円へ戻ります。上達に悩む人に向けて、自分に何が書けるか。ここで、自分自身がまだ上達の途中であることは、弱みではありません。何を試して、何が効いて、何が無駄だったか。練習の過程そのものが記事になります。いま詳しくなくても、これから学ぶ過程を記録すればよいのです。
こうして一周すると、仮の「ゴルフ」が、「ゴルフを始めたものの上達に悩んでいる人に向けて、自分の練習の記録と、道具やスクールの情報を届ける」ところまで具体的になりました。読者の円は、途中で2回描き直しています。最初の思いつきのまま確定させていたら、この形にはたどり着けません。行き来したからこそ、3つの円の重なりが見つかったわけです。
重なりが見えてきたら、30記事分のタイトルを書き出す
重なりが見えてきたら、ひとつ検証をはさむとよいでしょう。その柱やテーマで書けそうな記事のタイトルを、30本書き出してみることです。ライフスタイルブログで寄せたい柱が見えてきたときにも、特化型を開設前に確かめるときにも使えます。
本文は書きません。タイトルだけです。ノートでもメモアプリでもかまいません。言い回しを整える必要もなく、あとから書き直す前提の、仮のタイトルで十分です。先ほどのゴルフの例なら、こんな調子です。
- 初めての練習場で困らないための持ち物と流れ
- 最初のクラブは中古でよいか、新品がよいか
- 練習場に月8回通って、スコアはどれだけ変わったか
- スクールの体験レッスンを受けてわかったこと
- 我流の素振りで身についた悪い癖と、その直し方
30本という数字には意味があります。仮に週1〜2本のペースで書くなら、30本は数か月分の記事にあたります。頭の中で「よさそうだ」と思える柱やテーマでも、ネタが数か月分続くかどうかは、実際に書き出してみないとわかりません。タイトルの試作は、その継続性を早い段階で確かめるテストです。
やってみると、結果は診断にもなります。あくまで目安ですが、10本も出ないなら、絞りすぎている可能性があります。その場合は、円の描き方を少し広げて、もう一度行き来してみるとよいでしょう。逆に、100本でも出せそうな勢いなら、今度は広すぎる疑いがあります。読者の顔をもう一段具体的にして絞り直したほうが、一本一本の記事が読者に届きやすくなります。
すらすら出る区間と、手が止まる区間があることにも気づくはずです。すらすら出るところは、自分の円が濃く重なっている場所です。手が止まったところは、興味の薄い場所かもしれません。30本の並びを眺めると、自分がこの柱やテーマのどこを書きたいのかが、輪郭になって見えてきます。
タイトルが30本そろい、まだ書きたいものが残っている感触があれば、その方向で書き進めて大丈夫です。うまく出なかったとしても、候補を捨てる必要はありません。3つの円のどれかを描き直して、また行き来すればよいだけです。行き来した回数は、無駄になりません。そのたびに、読者と広告と自分について考えた材料が手元に残ります。柱やテーマは、ひらめきで一度に決まるものではなく、この往復の中で少しずつ形になっていくものです。