雑誌の「型」を参考にする
雑誌の「型」を参考にする
サイトを作っていくにあたり、「全体のつくりをどうするか」ということを考える必要があります。ブログのように書き続けるのか、テーマを絞った小さなサイトを作り切るのか。この、サイト全体のつくりのことを、ここでは「型」と呼びます。
サイトの型を考えるとき、参考になるのが雑誌です。生活情報誌、専門誌、ムック、タウン誌のように、雑誌は誌面のつくりや読者の分け方で分かれています。
その分かれ方にも「型」があり、「誰に、何を、どんな作りで届けるか」が違うと、型も変わります。ここでは、まず雑誌にどんな型があるのかを紹介し、そのあとで、個人が作りやすいサイトの型を説明します。
雑誌の分類について
日本で発行されている雑誌は、いまも2,300銘柄を超えます。書店の棚や、雑誌の通販サイト、読み放題アプリを開くと、無数の誌名が並びます。これを最初から一誌ずつ覚える必要はありません。分かれ方には段があり、上から順に見ると整理できます。
ここでは、次の三段で見ます。
- 大分類——いちばん大きな分かれ。総合誌か、専門誌か
- 中分類——その下の棚。生活実用情報誌、スポーツ誌、エリア情報誌など
- 小分類——さらに細かい分野。登山、鉄道、ゴルフなど
この三段は、ブログでいう「ライフスタイルブログ(雑記型ブログ)か、特化型か」と同じ段の話から始まり、棚の名前、テーマの具体名へと降りていきます。同じ雑誌が、形態や届け方の面では別の呼び方をされることもあります。それについては、三段のあとに分けて書きます。
分類の呼び方は、日本雑誌広告協会・日本雑誌協会・日本ABC協会などが用いる「雑誌ジャンル・カテゴリ区分」、国立国会図書館の採録区分、書店やFujisanなどの売場の分け方を参照しつつ、サイトづくりの参考にしやすい階層に整理したものです。業界の一覧は数十のジャンルが平坦に並ぶことも多いですが、大・中・小の階層のほうが考えやすいです。
大分類:総合誌と専門誌
雑誌のいちばん大きな分かれは、扱う範囲の広さです。
総合誌
総合誌は、特定の狭いテーマだけに固定せず、幅広い話題をひとつの誌面に載せる雑誌です。政治、社会、暮らし、エンタメ、実用など、号によって・ページによってテーマが動きます。読者も、「この一件だけのために買う」というより、自分の年代や生活圏にだいたい合う情報をまとめて受け取るイメージです。
代表的な例は次のとおりです。
- 総合月刊誌——『文藝春秋』のように、時事、人物、読み物を幅広く載せる月刊の総合誌
- 一般週刊誌——『週刊文春』『週刊新潮』『週刊現代』『週刊ポスト』のように、ニュースや社会の話題を速く、広く追う週刊誌
- 女性週刊誌——『女性自身』『女性セブン』のように、芸能から暮らしの実用までを週刊で届ける誌
「総合」という言葉には、論壇向けのオピニオン誌(いわゆる総合雑誌)を指す使い方もあります。ここではもう少し広く、「テーマをひとつに固定しない雑誌」という意味で使います。国立国会図書館の採録区分にも「一般総合誌」があり、多彩な内容と幅広い読者を想定する雑誌、という捉え方が示されています。
暮らしの実用を幅広く扱う『オレンジページ』『ESSE』『サンキュ!』も、登山だけ・鉄道だけといった単一テーマの専門誌とは違い、料理・節約・収納・育児の周辺まで、生活の複数の話題を同じ雑誌のなかで扱います。大分類の感覚としては、総合寄り(幅が広い側)に置いて考えるとわかりやすいです。詳細は中分類で述べます。
専門誌
専門誌は、ひとつのテーマ(またはひとつの業界・競技・趣味)に絞り、そのテーマを継続して掘り下げる雑誌です。読者は、そのテーマにすでに関心がある人、これから深く知りたい人です。
代表的な例は次のとおりです。
- 登山の『山と溪谷』(1930年創刊)
- 鉄道の『鉄道ファン』『鉄道ピクトリアル』
- 食の『dancyu』
- キャンプ・アウトドアの『BE-PAL』『GO OUT』
- ゴルフの『アルバトロス・ビュー』『月刊ゴルフダイジェスト』
- 釣りの『つり人』
国立国会図書館の採録区分では、専門誌を「特定の分野・業界に関する情報・解説・紹介・評論・考察等を掲載している雑誌」と説明しています。趣味の専門も、業界の専門も、ここに入ります。
大分類で見える市場の動き
紙の雑誌市場は縮小が続いていますが、中身を見ると明暗が分かれます。幅広い読者に幅広い話題を届ける総合週刊誌は、休刊や隔週化、誌面の軸足の移動が目立ちます。一方で、テーマを絞った専門誌や、決まった読者に直接届ける雑誌は、形を変えながら残っています。流れとしては、「幅広く、大勢に」より、「狭く、深く、決まった読者に」が残りやすい、ということです。この対比は、あとでサイトの大分類(ライフスタイルブログ寄りか、特化型か)を考えるときの土台になります。
中分類:棚の名前
大分類の下にあるのが中分類です。書店や通販で「どの棚に並ぶか」、業界のジャンル区分で「どのカテゴリ名が付くか」に近い段です。日本雑誌広告協会などの「雑誌ジャンル・カテゴリ区分」では、総合月刊誌、一般週刊誌、生活実用情報誌、スポーツ誌、エリア情報誌、ビジネス・マネー誌、ムックなどが並びます。売場(Fujisanなど)では、女性ファッション、スポーツ、旅行・タウン情報、ペット・動物のように、探しやすい言葉で棚が切られます。
ここでは、総合寄り・専門寄りに分けて、サイトづくりの参考になりやすい中分類を例示します。網羅ではありません。
総合寄りに置ける中分類
総合月刊誌・一般週刊誌・女性週刊誌 大分類で触れた総合の中核です。ニュース性の強い週刊と、読み物性の強い月刊ではペースが違いますが、「幅広い話題を、決まった刊期で届ける」点は共通です。
生活実用情報誌 料理、節約、収納、家事など、暮らしの工夫を実用として届ける雑誌です。『オレンジページ』『ESSE』。『サンキュ!』は、読者の実例を誌面の柱にする作りでも知られます。テーマは生活のなかで動くため、単一趣味の専門誌より幅が広いです。
女性誌・男性誌(年代別) 業界区分では、女性ティーンズ誌、女性ヤング誌、女性ヤングアダルト誌、女性ミドルエイジ誌、女性シニア誌、男性ヤング誌、男性ミドルエイジ誌のように、読者の性別と年代で棚が刻まれます。『non-no』『CanCam』(ヤング寄り)、『BAILA』『Oggi』(働く世代)、『VERY』『STORY』『GLOW』、シニア寄りの『éclat』『素敵なあの人』など。ファッションやライフスタイルが中心でも、「何歳の、どんな生活の人か」が先に決まるのがこの中分類の特徴です。出版社は、同じ読者を10年ごとに次の誌へ乗り換えていく「年代のはしご」を持つこともあります。
ビジネス・マネー誌(総合寄りに見えるもの) 『PRESIDENT』『週刊東洋経済』『週刊ダイヤモンド』『日経ビジネス』のように、仕事・経済・キャリアを広く扱う誌です。投資に寄せた『ダイヤモンドZAi』『日経マネー』は、マネーというテーマでは専門性が高い一方、扱う商品や制度の幅は広いです。大分類の境界は一本の線ではなく、誌によって総合寄り/専門寄りが混ざります。
専門寄りに置ける中分類
スポーツ誌 競技や身体づくりの棚です。野球の『週刊ベースボール』、サッカーの『サッカーマガジン』『サッカーダイジェスト』、バスケの『月刊バスケットボール』、テニスの『テニスマガジン』、ランニングの『ランナーズ』、総合スポーツ読み物の『Number』など。中分類「スポーツ」の下に、競技名の小分類が並びます。
アウトドア・登山・キャンプ 『山と溪谷』『BE-PAL』『GO OUT』など。自然のなかの活動に絞った棚です。
自動車・オートバイ・乗り物 『ベストカー』『CAR GRAPHIC』『ヤングマシン』『鉄道ファン』『航空情報』など。乗り物の種類ごとにさらに分かれます。
エリア情報誌(タウン情報誌) 地域の情報に絞る雑誌です。福岡の『シティ情報Fukuoka』のような総合タウン情報誌、毎号ひとつの街を深掘りする『散歩の達人』、レストランを物語仕立てで見せる『東京カレンダー』、関西の『Meets Regional』など。全国どこでも同じ中身、ではなく、地域(エリア)がテーマの核になります。
マタニティ・子育て誌 『たまごクラブ』『ひよこクラブ』『kodomoe』など。読者=親(またはその前後)にほぼ固定され、広告主もベビー用品や教育サービスに寄ります。「読者を決めることは、広告主を決めること」が、誌面を開くだけで見えやすい中分類です。
ペット誌 『いぬのきもち』『ねこのきもち』『猫びより』など。犬・猫といった対象でさらに分かれます。直販の定期購読で届ける雑誌もあります。
食・グルメ(専門寄り) 『dancyu』のように、食をテーマの中心に据える雑誌。レシピ実用の『NHKきょうの料理』『レタスクラブ』は生活実用に近く、グルメガイド寄りの地域誌はエリア情報にもまたがります。
カメラ・オーディオ・ホビー・ゲーム 『デジタルカメラマガジン』『stereo』『月刊ホビージャパン』『週刊ファミ通』など。趣味の道具や作品を深掘りする棚です。
業界・技術専門誌 看護の『ナース専科』、農業の『現代農業』、広告の『宣伝会議』、流通の『ダイヤモンド・チェーンストア』など。趣味というより実務・業界の読者向けです。個人の趣味サイトの見本というより、「読者と広告主が業界で決まる」構造の見本になります。
中分類は、売場ではもっと細かく、また別の切り方になります。女性ファッションをテイスト別(ナチュラル、オフィス、など)に切る、スポーツを競技別の22分類に切る、などです。
小分類:分野の具体名
小分類は、中分類のさらに下です。「スポーツ誌」までが中分類なら、「ゴルフ」「野球」「サッカー」「釣り」が小分類です。「乗り物」なら「鉄道」「自動車」「オートバイ」。「ペット」なら「犬」「猫」。
例を、階層で示します。
- 大分類:専門誌
- 中分類:スポーツ誌 - 小分類:ゴルフ(『アルバトロス・ビュー』など)/野球(『週刊ベースボール』)/ランニング(『ランナーズ』) - 中分類:アウトドア - 小分類:登山(『山と溪谷』)/キャンプ(『BE-PAL』) - 中分類:乗り物 - 小分類:鉄道(『鉄道ファン』)/自動車(『ベストカー』)/バイク(『ヤングマシン』)
小分類まで降りると、「何の雑誌か」「誰が買うか」「どんな広告が載りそうか」が具体的になります。ゴルフ誌の広告と、育児誌の広告は顔ぶれが違います。
小分類の地図を厚く並べた一覧は、別記事『専門誌があるジャンルは、収益の目安になる』にまとめています。登山、競馬、キャンプ、子育てのように、専門誌が存在する分野を広く拾ってあるので、テーマ候補を探すときはそちらも参考にされてください。
三段とは別に見るもの——形態・届け方・関係の近さ
書店の棚では、総合か専門か、どの中分類か、で並ぶことが多いです。一方で、次のような呼び方は、大分類・中分類・小分類の階層とは軸が違います。同じ雑誌に、三段のラベルと、こちらのラベルが同時に付くことがあります。
ムック・別冊
1テーマを1冊で完結させ、作り切って売る形態です。晋遊舎の『LDK the Best』や「完全ガイド」系、タウン誌の別冊『福岡麺本』など。定期の月刊号とは違い、「この一冊で役目が終わる」作りです。流通上は雑誌扱いになることも多いですが、総合/専門のどちらのテーマでもムックになり得ます。
商品テスト誌
商品を編集部が買って試し、比べて確かめることを売りにする雑誌です。『LDK』『MONOQLO』『家電批評』。テーマは日用品や家電など中分類・小分類を持ちつつ、「比べて確かめる」という作り方が前面に出ます。
モノ・トレンド情報誌/カタログ雑誌
モノをずらりと紹介して買い物の案内にする『GetNavi』や、誌面が通販カタログを兼ねる『通販生活』など。「何のテーマか」より、「どう見せて、どう買わせるか」が目立つタイプです。
会報誌とファンマガジン
会報誌は、ファンクラブ会員など、決まった会員に届く公式の冊子です。書店では買えないことが一般的です。一方、商業のファンマガジンは、書店でも買えるファン向け雑誌で、例として巨人監修の『月刊ジャイアンツ』などがあります。どちらも、読者との距離が近い点は共通ですが、届け方と売り方が違います。
定期購読・直販
書店の棚に置かず、定期購読で読者の手元に直接届ける雑誌です。『ハルメク』『いぬのきもち』『ねこのきもち』、ビジネス誌の『日経ビジネス』など。『ハルメク』は定期購読だけで数十万部規模となり、日本で最も売れている雑誌の座を続いています。テーマは生活やペットなど中分類を持ちつつ、「書店を介さない」届け方が特徴です。
フリーマガジン
無料で配布される雑誌・フリーペーパーです。エリア情報と組み合わさることが多く、収益は配布部数と広告に寄ります。有料のタウン情報誌と同じ「地域」でも、読者の集め方が違います。
サイト製作への活かし方——雑誌と同じ階層で考える
雑誌の分かれ方が見えたところで、個人のサイト製作への活かし方について説明します。サイトでも、平坦な「いくつの型」ではなく、雑誌と同じ階層で考えます。
- 大分類——総合寄りか、専門寄りか(ライフスタイルブログ=雑記型か、特化型か)
- 中分類——どの棚に立つか(例:エリア=地域、スポーツ、生活実用に寄る、など)
- 小分類——テーマの具体名(登山、キャンプ、宅建、など)
- 形態(三段の外)——記事を積み上げて続けるか、ムックのように作り切るか(ミニサイト)
- 関係の近さ(三段の外)——一般の読者向けか、ファンとしての距離感か
見る順番の目安は、上から下です。まず大分類、次に中分類、必要なら小分類。そのうえで、形態と関係の近さを足します。
以下、サイトで、よく使われる分類(型)を説明します。
サイトの大分類:総合寄りと専門寄り
総合寄り——ライフスタイルブログ(雑記型)
暮らしの記録を幅広く書いていく形式です。買ったもの、調べたこと、行った場所。テーマをひとつに絞らず、生活の中の出来事をそのまま記事にしていきます。
ライフスタイルブログといっても、おしゃれな暮らしを見せる必要はありません。「洗濯機の買い替えで3機種を比べた話」「はじめてのふるさと納税でつまずいたこと」「子どもの水筒を買い替えた理由」。どこにでもある毎日の記録が、そのまま記事になります。
雑誌でいえば、大分類の総合寄りです。中分類では、生活実用情報誌や、年代別のライフスタイル誌の棚に近い立ち位置になります。
この形式は初心者でも続けやすいです。理由は、記事の材料が毎日の暮らしから生まれてくるからです。生活の記事は扱う範囲が広いぶん、通販、食材宅配、家電、保険の見直しと、つなげられる広告の幅も広くなります。
そして、書き続けるうちに、よく書くテーマ、読まれるテーマが見えてきます。節約の記事ばかり書いていると気づいたら、そこから節約に寄せていく。『サンキュ!』が読者の節約実例を誌面の柱にしているように、暮らしの記録は、それ自体がテーマ探しの実験場になります。テーマをまだ決められない人が、書きながらテーマを見つけるときの大分類です。小分類(テーマの具体名)は、最初から固定しなくても始められます。
専門寄り——特化型
ひとつのテーマを、記事を積み重ねて深掘りしていくつくりです。キャンプなら、「初心者のテント選び」「車なしで行けるキャンプ場」「雨の日の撤収のコツ」。宅建なら、「合格に必要な勉強時間」「民法のつまずきどころ」「過去問の使い方」。そのテーマの記事だけを書いていきます。
雑誌でいえば、大分類の専門誌そのものです。決めたら、中分類で棚を選び、小分類で具体名を決める、という降り方がそのまま使えます。
記事が増えるほど、検索エンジンから「このサイトはこの分野に詳しい」と認識されやすくなり、長期的に安定しやすいのが、特化型の強みです。広告との相性も考えやすいです。テーマが決まっていれば、キャンプならキャンプ用品の通販やレンタル、宅建なら通信講座と、案内できる広告の種類がはっきり定まるからです。
雑誌『山と溪谷』が約100年、登山だけで読者に読み継がれてきたように、専門として名乗り続けることは、時間をかけるほど強くなります。書きたいテーマがすでに決まっている人は、まずこの大分類を軸に考えるとよいでしょう。
サイトの中分類:どの棚に立つか
大分類の下で、「どの棚のサイトか」を決める段です。雑誌の中分類と同じ考え方です。
専門寄りを選んだあとの例がわかりやすいです。
- スポーツの棚に立つのか
- アウトドアの棚に立つのか
- 乗り物の棚に立つのか
- エリア(地域)の棚に立つのか
総合寄りでも、生活実用に強く寄せるのか、年代やライフスタイルの棚を意識するのか、で中分類の感覚は変わります。
中分類の例——エリア(地域型)
特定の地域の情報を発信するつくりです。街の新店情報、ランチの記録、イベントの案内。『散歩の達人』が毎号ひとつの街を深掘りするように、自分の住む街を掘っていきます。地元の読者にとても愛されるサイトになりますし、書くネタも暮らしの中から次々に生まれます。
雑誌でいえば、中分類のエリア情報誌(タウン情報誌)です。大分類では専門寄りに近く、「地域」がテーマの核になります。フリーマガジンのように無料配布で地域に届ける媒体とも、読者の地理は共有しますが、サイトではまず「その街の情報を蓄積する」点をエリア情報誌から学びます。
収益の面では、紹介する対象と広告の結びつきを考えながら作っていきます。宿なら旅行予約サービス、飲食店や美容室なら予約サイトの広告というように、ネットで予約が完結するサービスと組み合わせれば、街の紹介がそのまま報酬につながります。
スポーツジムや学習塾、クリニック、リフォームや引越しのように、住んでいる場所の近くでしか通わない・申し込まないサービスも、地域の読者が集まるサイトだからこそ案内できる広告です。
ページが読まれるほど収入になるGoogleアドセンスのような「クリック型の広告」も選択肢に入ります。そして、地元で愛されるサイトに育てば、読者からの信用という財産が積み上がり、広告以外の仕事や相談が舞い込む可能性も広がっていきます。
エリア以外の中分類(スポーツ、アウトドア、子育てなど)も、同じように「棚を決める」段です。棚が決まったら、次の小分類で具体名に降ります。
サイトの小分類:テーマの具体名
小分類は、中分類のさらに下です。「何のサイトか」というサイト名にあたる部分です。
例:
- 大分類:専門寄り
- 中分類:アウトドア - 小分類:キャンプ/登山 - 中分類:エリア - 小分類:自分の市区町村、沿線、商店街など(どこまで狭くするか)
小分類まで決まると、書く記事の範囲と、案内しやすい広告の種類が具体になります。候補を広く当たりたいときは、専門誌がある分野の一覧(別記事)と、ASPの案件一覧を併用します。ここでは、「小分類は中分類の下の具体名である」ことと、そこでテーマが固まること、までを押さえます。
総合寄りのライフスタイルブログでは、小分類を最初から固定しなくても始められます。書き進めるなかで、よく書くテーマが見えたら、そこを小分類として絞り込んでいく、という順でもよいでしょう。
形態——積み上げるか、作り切るか
形態は、大分類・中分類・小分類とは別の軸です。テーマが決まってから足します。リード文で触れた「ブログのように書き続けるのか、テーマを絞った小さなサイトを作り切るのか」は、主にこの段の話です。
積み上げる(連載・更新し続ける)
特化型やライフスタイルブログの多くが、こちらです。号を重ねるように記事を増やし、サイトの厚みを時間で作ります。
作り切る——ミニサイト型(ムック・別冊の発想)
30〜50ページほどで完結させる、小さな専門サイトです。「福岡市のペットと一緒に泊まれるホテル」「初心者のための薪の作り方」のように、テーマをぐっと絞り、作り切ったら更新はほどほどでよい、という考え方で作ります。1テーマ1冊のムックと同じ発想です。
大分類は専門寄りであることが多く、小分類でテーマを狭く決めたうえで、形態だけムックに寄せます。総合寄りのテーマでも、一冊完結のムックはあり得ます。
作りもムックに似ています。表紙と目次にあたるトップページに全体のまとめやおすすめ順を置き、個別のページで1件ずつ詳しく紹介する。この形なら、ホテルの予約サイトや道具の通販など、案内する広告も1〜2種類に自然と定まります。ブログのように何年も書き続ける自信がない人でも、「作り切って完成」というゴールがあるので、最初の1作に向いています。小さく1つ完成させた経験は、次のサイトを作るときの土台にもなります。
関係の近さ——ファンとしての距離
関係の近さも、三段とは別の軸です。同じ小分類でも、「その分野の情報サイト」として書くのか、「好きなものを語る場」として書くのかで、読者との距離が変わります。
ファンとしての距離——ファンサイト型
好きなものを深く語るつくりです。ある音楽ジャンル、ある作家、ある野球チーム。「全アルバムを聴いた感想」「初心者が最初に読むべき3冊」「今季の戦力を眺めて考えたこと」。検索だけでなく、同じものが好きな仲間が集まってくるのが、この距離感の強みです。
雑誌でいえば、会報誌や商業のファンマガジンが示す「読者との距離の近さ」です。大分類は専門寄り、小分類は好きな対象そのもの、そのうえにファンとしての距離を置く、という重ね方になります。
広告との相性で言えば、好きなものの周りには、思っている以上に多くの種類の案件があります。A8の案件一覧で趣味やエンタメのまわりを眺めると、グッズや用品の通販は、売上の1〜20%(多くは5%前後)が報酬になる定率型が中心です。
それに加えて、定額の案件もあります。たとえば音楽なら、楽器の出張査定で1件3,000円、音楽教室の無料体験レッスンからの入会で8,000円ほど。映画やアニメを語るサイトなら、動画配信サービスの新規登録で1件500円から3,600円ほどの案件が並んでいます。また、査定・体験・入会のような案件まで見渡すと、収益の組み立て方が広がります。
そして、何年も好きでい続けられるものを持っている人にとっては、書くこと自体が楽しく、続けることが苦になりません。長く続けられることが、そのまま強みになります。
企画も参考にする
商品テスト誌の「比べて確かめる」や、モノを集めて並べる作りは、サイト全体のつくりというより、記事のまとまりの作り方です。ここでは、それを「企画」と呼びます。
たとえばキャンプの特化サイトの中に、『LDK』が日用品を試すように「寝袋5つを買って比べた」という記事のまとまりを作る。ライフスタイルブログの中に、「町のパン屋を巡って集めた」という記事のまとまりを作る。
比べる、試す、集める、記録する、教える。こうした作りは、大分類が総合寄りでも専門寄りでも、企画として取り込めます。サイト全体の位置づけは意識しておき、企画はこれから何度でも立てます。企画の詳しい話は、また別の記事で詳しく扱います。
一般週刊誌のように、ニュースを速く広く追うつくりは、個人のサイトとしてはおすすめしません。更新を止めた瞬間に価値が消えやすく、企業のニュースサイトとの競争になるからです。
オンライン書店・雑誌読み放題サービスを活用する

自分のサイトの方向性を考えるにあたり、雑誌専門のオンライン書店「fujisan.co.jp」や「dマガジン」のような雑誌読み放題アプリは、とても役立ちますので、ここまでの話と照らし合わせながら、ぜひご覧になってみてください。
気になった雑誌があれば、「ターゲット読者」や「テーマ」や「発信内容」を一行でメモしてみるのもよいでしょう。たとえば『サンキュ!』なら、「家計を預かる主婦に|節約と暮らしの工夫を|読者の実例で見せる」とメモする。そして、同じ問いを自分のサイトに向けてみると、位置づけの整理になります。
自分のテーマに近い雑誌が見つからないこともあります。その場合は、需要がないと考えるよりは、雑誌が成り立たないほど狭い分野として、個人のサイトに向いている可能性も視野に入れるとよいでしょう。